『隋書俀国伝』の「大業三年記事」は、その年次が『書紀』の「遣隋使」記事と一致しているため、従来から疑われたことがありません。それに対し「開皇二十年記事」は『書紀』にないこともあり、特に戦前はその存在は疑問視と言うより無視されていました。近年はこの「開皇二十年記事」についてもその存在を認める方向で研究されているようですが、この「大業三年記事」については言ってみれば「ノーマーク」でした。しかし、この「大業三年記事」については、他の資料(「通典」・「冊布元亀」)には「開皇二十年記事」と一括で書かれているなどの点が認められ、記事として確実性がやや劣ると見ることができると思われます。